底ざらい試験

掘削試験・底ざらいバケツ実験

1.試験場所 福岡県大野城市乙金3丁目地内
2.実施期間 平成19年12月21日
3.支持地盤 花崗岩(N値50/5)
4.杭仕様

表-杭仕様

軸部径 拡底施工径 掘削長 杭天端 本数 孔内水の有無
φ1500 φ2200 GL−1.5m GL−0.0m 1 有水

5.試験方法

有水時における底ざらいバケツを用いた土砂の取り込み状況及び底ざらいバケツの処理機能を確認する為に、浅層において軸部掘削をした後清水を注入し、拡大掘削を行なった後、GSBバケットに底ざらいバケツを装着して底ざらい処理を行ない、排水をしながら孔底の状況を確認し、排水後、孔底に降りてスタッフを当てて実測し、拡大部及びポケット高の形状・寸法とスライム量を実測した。
測定地点は、図−1 に示す9箇所で測定を行った。測定方向は方位と一致させ、中心部と東方向を@として、反時計回りにA〜Gとした。

図−1 測定箇所と方位関係

図−1 測定箇所と方位関係

6.柱状図

柱状図

設計値 実測値
@ A B C
軸部径 1500mm 1500 1500 1500 1500
拡底施工径 2200mm 2200 2200 2200 2200
ポケット高 500mm 490 500 490 490
拡大部スライム量 50mm以下 10 10 10 5
ポケット部スライム量 50mm以下 35 20 40 30

*)@〜Cは測定方向を示します。

底ざらえバケツ

  • 底ざらえ試験(試験杭No.3)
  • 底ざらえ試験(試験杭No.3)

底ざらえ検証状況

  • 孔底状況

    孔底状況

    全景 拡底施工径 2200 mm
  • 中心部

    中心部

    設計値 500mm 実測値 490mm
  • 計測地点@

    計測地点@

    設計値 500mm 実測値490mm
  • 計測地点A

    計測地点A

    設計値 500mm 実測値 500mm

施工状況写真

軸部掘削完了状況

@軸部掘削完了状況(GL-1.5m)

注水状況

A注水状況(GL-0.5mまで)

拡底部掘削状況

B拡底部掘削状況(φ2200)

拡大掘削土排土状況

C拡大掘削土排土状況

一次孔底処理状況

D一次孔底処理状況

底ざらいバケツ取り付け状況

E底ざらいバケツ取り付け状況

底ざらいバケツセット状況

F底ざらいバケツセット状況

排土状況

G排土状況

軸部掘削土状況

H軸部掘削土状況

拡大部掘削土状況

I拡大部掘削土状況

拡大部及びポケット高形状・寸法とスライム量

実測結果一覧

設計値 実測値
@ A B C 中心部 平均
軸部径 1500mm 1500mm 1500mm 1500mm 1500mm 1500mm
拡底施工径 2200mm 2200mm 2200mm 2200mm 2200mm 2200mm
ポケット高 500mm 490mm 500mm 490mm 490mm 490mm 492mm
拡大部スライム量 管理値50mm以下 @ A B C 平均
10mm 10mm 10mm 5mm 9 mm
ポケット部スライム量 管理値50mm以下 D E F G 中心部 平均
35mm 20mm 40mm 30mm 30mm 31mm

考察とまとめ

新しく作成した底ざらいバケツを用いて行なった土砂の取込み調査実験において、表X-7-3及び図X-7-7に示す通り、ポケット高の寸法は490mm〜500mmの範囲で施工でき、平均値は492mmであった。
スライム量は拡大部で5mm〜10mm、ポケット部では20mm〜40mmの範囲であり、底ざらいバケツの底ざらい処理機能を検証する事ができた。
本工法における底ざらい処理は、掘削長の検測をしながら底ざらいバケツにより底ざらい処理をする事とする。また、本工法における支持地盤はN値50以上の岩層であり、写真@・写真Aに示すように孔底部の掘削土は岩塊を削った後の岩片と土(堀屑)である。排土される掘削土の大半は岩片であるが、岩を削った後に残る小さな粒子は、有水時においては土質にもよるが水に溶けてスライム状となる。一方、無水時においてはスライム状にはならないが、堀屑として残る為、掘削土の性状も考慮した上で何らかの管理基準値が必要であると考えられる。
ハンマーグラブを用いて底ざらい処理を行なった掘り出し杭試験結果(表@)では、全測定76箇所のうち局部的に70mmが2箇所あったがそれ以外は全て50mm以下の範囲であった。また、同様な処理をした浅層掘削試験@・Aの結果(表A)においても10mm〜30mmの範囲であった。
そこで、一次孔底処理後のGSB工法におけるスライム量の管理基準値は50mm以下とする。但し、ここで言うスライムとは岩を削った後に残る土(堀屑)の事を言う。

写真@ 拡大部掘削土の状態@

写真@ 拡大部掘削土の状態@

写真A 拡大部掘削土の状態A

写真A 拡大部掘削土の状態A

表@ 掘り出し杭試験におけるスライム量の実測結果

スライム量の範囲 実 測 値(軸部)4 mm〜29 mm (拡大部)3 mm〜70 mm
1〜9mm 10〜19 mm 20〜29 mm 30〜39 mm 40〜49 mm 50 mm 70 mm
軸 部(度数) 2 2 6 0 0 0 0
拡大部(度数) 3 6 6 6 0 1 2

表A 浅層掘削試験@・Aにおける拡大部スライム量の実測結果

計測地点 @ A B C
浅層掘削試験@ 30mm 30mm 30mm 30mm
浅層掘削試験A 10mm 10mm 10mm 10mm